チュートリアル > トリガで出力を変化
トリガで出力を変化
本製品には3つの異なるトリガサブシステム(TRANsient、SYNChronize、ACQuire)があります。通常、SCPI仕様では各トリガサブシステムを番号付けされたトリガシーケンスとして分類するので、それぞれSEQuence1、SEQuence2、SEQuence3にマップされています。
シーケンス1(TRANsient)グループは設定を変更するトリガサブシステムです。電圧と周波数の設定を変更します。
状態
シーケンス動作では、3つの状態(IDLE状態、INITiated状態、WTG状態)があります。
本製品の電源投入時には、すべてのトリガサブシステムはIDLE状態です。この状態では、トリガサブシステムはすべてのトリガを無視します。以下に示すコマンドのどれかを送信すると、トリガサブシステムはいつでもIDLE状態になります。
IDLE状態では、TRGを送信してもシーケンス動作は開始されません。
:ABORt(自動継続モードがオンの場合には、:INIT:CONT OFF;:ABOR)
IEEE488.1 sdc(Selected Device Clear)またはdcl(Device Clear)
IDLE状態の時にINITを送信すると、トリガ機能が開始されてINITiated状態になります。
トリガソースがIMMediateの場合には、ただちに設定を変更します。
トリガソースがBUSの場合には、トリガを待つWTG(Waiting for Trigger)状態になります。
WTG状態の時にトリガを送信すると、設定を変更します。
出力変更制御(シーケンス1:TRANsient)
TRIGger:SEQuence1(またはTRIGger:TRANsient)サブシステムを使用すると、出力の変化をトリガで同期させることができます。出力変化をDC電源装置や電子負荷装置などの外部機器の動作と同期させたい場合に有効です。
VOLTage:TRIGgeredとFREQuency:TRIGgeredコマンドでトリガ設定値を予約します。トリガを使用する前に各出力項目に対するMODE設定をSTEPにします。
:VOLTage 110 | '電圧を110 Vに設定 | |
:FREQuency 60 | '周波数を60 Hzに設定 | |
:VOLTage:MODE STEP | '電圧のトリガMODEをSTEPに設定 | |
:FREQuency:MODE STEP | '周波数のトリガMODEをSTEPに設定 | |
:VOLTage:TRIGgered 100 | '電圧がトリガで100 Vに変更するように設定 | |
:FREQuency:TRIGgered 50 | '周波数がトリガで50 Hzに変更するよう'に設定 | |
:TRIGger:SEQuence1:SOURce BUS | 'トリガソースをBUSに設定 | |
:INITiate:IMMediate:SEQuence1 | 'シーケンス1のイニシエート(トリガ機能開始) | |
:TRIGger:SEQuence1:IMMediate | 'シーケンス1にソフトウェアトリガを与える |
TRIGger:SEQuence1:SOURceで、トリガソースをBUSまたはIMMediateに設定します。
トリガソースがIMMediateに設定されている場合には、INITiateコマンドで変更動作はすぐに実行されて、電圧/周波数が新しい設定値に変更されます。BUSに設定されている場合には、トリガサブシステムはWTG(Waiting For Trigger)状態になります。TRIGger:SEQuence1:IMMediateまたは*TRGコマンドによってソフトウェアトリガが与えられると、変更動作が実行されます。
動作が完了すると、トリガサブシステムはIDLE状態に戻ります。トリガを実行しないでABORtまたは同等なコマンドを送信すると、変更動作はキャンセルされてトリガサブシステムはIDLE状態に戻ります。
シーケンス1グループのプログラム可能な設定項目は、AC電圧、DC電圧、周波数です。電流リミット設定はトリガで変更できません。
*RST または*RCLコマンドを送信すると、VOLTage:MODE、FREQuency:MODE、VOLTage:OFFSet:MODE はすべてFIXedにリセットされます。トリガMODEがFIXに設定されていると、シーケンス1のトリガ機能が無効になります。MODE設定は、各出力項目に対してそれぞれ明示的にSTEPに設定します。
TRIGger:SEQuence1:IMMediateはシーケンス1グループに対してのみソフトウェアトリガを与えます。
*TRGコマンド、またはIEEE488.1 get(Group Execute Trigger)コマンドも同じ目的で使用できます。このコマンドはすべてのシーケンスグループにソフトウェアトリガを与えるので、イニシエート状態のほかのシーケンスグループがあれば、同時にシーケンス動作を実行します。
各トリガに対してイニシエートコマンドを毎回送信しないで自動継続するには、CONTinuousオプションを使います。