シーケンス1:TRANsientの設定

シーケンス1グループは出力の変化をトリガで同期させることができます。→チュートリアル

ABOR が送信された場合、または電圧 (VOLT/VOLT:OFFS)、周波数(FREQ)の設定値を変更した場合は、トリガで変更する電圧、周波数はキャンセルになります。

AC電圧を50V(VOLT50)、トリガで変更するAC電圧60V(VOLT:TRIG60)を設定した場合のレスポンスは表5のようになります。

 

表5 VOLT 50;:VOLT:TRIG 60 送信後の各レスポンス

  レスポンス
VOLT? VOLT:TRIG?
各設定直後 50 60
トリガ送信後 60 60
*RST送信後 0 0
トリガ送信前に ABOR 送信 50 50(キャンセル)
トリガ送信前に電圧変更
VOLT 70 送信
70 70(キャンセル)

 

TRIG:SOUR

シーケンス1グループがINIT:SEQ1/INIT:NAME TRANを受けてから、実際に設定値を変更するための条件(トリガソース)を設定します。

コマンド 

TRIGger[:SEQuence[1]]:SOURce {IMMediate|BUS}

TRIGger[:SEQuence[1]]:SOURce?

TRIGger[:TRANsient]:SOURce {IMMediate|BUS}

TRIGger[:TRANsient]:SOURce?

パラメータ

設定値 IMM 即座に設定値を変更
    BUS ソフトウェア・トリガ(*TRG, TRIG, IEEE488.1 get(Group Execute Trigger))を待って設定値を変更(デフォルト)

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

レスポンス 

TRIG:SOUR?に対して、シーケンス1グループのトリガソースを返します。

FREQ:MODE

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信した場合の、周波数設定のトリガ機能制御を設定します。

コマンド 

[SOURce:}FREQuency:MODE {FIXed|STEP}

[SOURce:}FREQuency:MODE?

パラメータ

設定値 FIX トリガ機能を有効にする(デフォルト)
    STEP トリガ機能を無効にする

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

レスポンス 

FREQ:MODE?に対して、周波数設定のトリガ機能制御の設定を返します。

FREQ:TRIG

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信したときに、変更する周波数を設定します。

コマンド 

[SOURce:]FREQuency:TRIGgered {<numeric>|MIN|MAX}

[SOURce:]FREQeuency:TRIGgered? {MIN|MAX}

パラメータ

設定値 40〜500(デフォルトは60)
単位 HZ

有効出力モード       AC、AC+DC、EXT-AC、EXT-DC

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

レスポンス 

FREQ:TRIG?に対して、トリガで変更する周波数をNR3形式で返します。

VOLT:MODE

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信した場合の、AC電圧設定のトリガ機能制御を設定します。

コマンド 

[SOURce:}VOLTage:MODE {FIXed|STEP}

[SOURce:}VOLTage:MODE?

パラメータ

設定値 FIX トリガ機能を有効にする(デフォルト)
    STEP トリガ機能を無効にする

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

レスポンス 

VOLT:MODE?に対して、AC電圧設定のトリガ機能の設定を返します。

VOLT:TRIG

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信したときに、変更するAC電圧を設定します。

コマンド 

[SOURce:]VOLTage[:LEVel]:TRIGgered[:AMPLitude] {<numeric>|MIN|MAX}

[SOURce:]VOLTage[:LEVel]:TRIGgered[:AMPLitude]? {MIN|MAX}

パラメータ

設定値 ACモード135Vレンジ     0〜137.5
    ACモード270Vレンジ   0〜275.0
    AC+DCモード ACおよびDCの設定電圧値が電圧リミット値の設定範囲にあって、AC+DC波形のピーク値が-388 V〜388 Vの範囲にある場合のみ設定可能
    範囲外の場合には、SCPIエラー(-222, "Data out of range")発生。
単位 V(RMS)

有効出力モード      AC、AC+DC

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

VOLT:RANGVOLT:RANG:AUTOの送信時には、設定値はクリアされます。

レスポンス 

VOLT:TRIG?に対して、トリガで変更するAC電圧をNR3形式で返します。

VOLT:OFFS:MODE

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信した場合の、DC電圧設定のトリガ機能制御を設定します。

コマンド 

[SOURce:}VOLTage:OFFSet:MODE {FIXed|STEP}

[SOURce:}VOLTage:OFFSet:MODE?

パラメータ

設定値 FIX トリガ機能を有効にする(デフォルト)
    STEP トリガ機能を無効にする

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

レスポンス 

VOLT:OFFS:MODE?に対して、DC電圧設定のトリガ機能の設定を返します。

VOLT:OFFS:TRIG

INIT:SEQ1/INIT:NAME TRANとソフトウェアトリガを送信したときに、変更するDC電圧を設定します。

コマンド 

[SOURce:]VOLTage:OFFSet:TRIGgered {<numeric>|MIN|MAX}

[SOURce:]VOLTage:OFFSet:TRIGgered? {MIN|MAX}

パラメータ

設定値 DCモード135Vレンジ     -194.0〜 194.0
    DCモード270Vレンジ   -388.0〜388.0
    AC+DCモード ACおよびDCの設定電圧値が電圧リミット値の設定範囲にあって、AC+DC波形のピーク値が-388 V〜388 Vの範囲にある場合のみ設定可能
    デフォルトは0
    範囲外の場合には、SCPIエラー(-222, "Data out of range")発生。
単位 V

有効出力モード       DC、AC+DC

*RST、*RCLの送信時には 表4のように設定されます。

VOLT:RANGVOLT:RANG:AUTOの送信時には、設定値はクリアされます。

レスポンス 

VOLT:OFFS:TRIG?に対して、トリガで変更するDC電圧をNR3形式で返します。